鉄筋スペーサーについて

こちらは福井県で建設業に従事している者です。
鉄筋コンクリートのスペーサーの選定において、質問いたします。
よく工事共通仕様書でスペーサーの選定で、コンクリート製若しくはモルタル製の物が指定されているのですが、当社施工時において壁や柱はプラスチック製の物(通称ドーナツ)を用いていますが、発注者から、
『なぜ共通仕様書にはコンクリート・モルタル製と記載されているのに、プラスチック製の物を使用するのか?強度、品質特性に問題はないのか?』
と質問されました。
コンクリート・モルタル製の物よりプラスチック製の物のほうが比較的手に入りやすく、また、設置も容易なので従来から使用しておりますが、何か規定があるのでしょうか?

基本定着長の式について

コンクリート標準示方書 「9.5.4基本定着長」 において

fbod:コンクリートの設計付着強度で、γcは1.3として、式(3.2.3)のfbokより求めてよい。ただし、fbod≦3.2 N/mm2

上記のような表現がありますが、fbod=fbok/γc と考えて良いのでしょうか?(昭和61年版・コンクリート標準示方書の該当個所を読む限り、そう思えます)
はっきりした式が示されていない為、fbod=fbokで良いように受け取れます。
出来れば、示方書の文章を直した方が良いかもしれません。

コンクリート標準示方書中の「下側」という表現について

コンクリート標準示方書構造性能編(2002年版)について。

 9.5.5 基本定着長 (136ページ)

 c:主鉄筋の下側のかぶりの値と定着する鉄筋のあきの半分の値のうちの小さい方

上記の説明文において、「下側」と表現されていますがこれはどういう意味でしょうか?
仮に梁部材の場合、下面側鉄筋の場合は下側でも良いかと思いますが、上面側鉄筋の場合は鉄筋の上側をかぶりとする、と考えて良いのでしょうか?

「コンクリートの水増し」報道

2003年5月13日の生コンクリート加水の事件についての報道です。

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京都府大山崎町の名神高速道路改築工事で、大量の水を加えた生コンクリートが使用されていたとして、日本道路公団関西支社は13日までに、工事を請け負った共同企業体に工事をやり直すよう指示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030513-00000080-kyodo-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030513-00000022-kyt-kin
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例えば、ここでは
http://www.asahi-net.or.jp/~XC7T-HYS/news2000_2_21.html
この種の事件の背景として、不況下のコストダウン圧力による「質より量」の風潮が現場レベルで強まっている、としています。ここでの記事は2000年時点のものであり、この風潮が改善されずに根付いてしまっている、と見られる可能性も有ります。

土木学会では、この種の事件に対するアクションはしていますか?

アルカリ骨材反応による鉄筋の破断

 一部の新聞でアルカリ骨材反応による鉄筋の破断の記事が掲載されていましたが、4月10日にNHKのクローズアップ現代[注1]でJR西日本の鉄道橋脚や石川県の道路橋脚等の鉄筋破断の生々しい映像が放映されました。 新聞記事は以下のとおり。

 ・3月19日 毎日新聞[注2] 鉄筋破断:診断方法マニュアルを配布 国交省が調査指示
 ・4月10日 産経新聞[注3] コンクリ内の化学反応で鉄筋破断 山陽新幹線橋脚

 土木学会コンクリート委員会では早速、対策委員会を設置し検討を始めたと聞きました。土木学会の姿勢としては、適切であり、早急の対応は高く評価されるものであると思います。

 社会への影響を考えると、土木学会として見解あるい対応方針をマスコミを通じて発表するべきではないでしょうか?

注1: 「放送記録」から「2003年4月」を選択後、「第2週」を選択して表示可
注2: 「過去2年間のニュース」で"アルカリ骨材反応"を検索して表示可
注3: 検索窓で"アルカリ骨材反応"を検索して表示可

総合学習に関する取り組み リンク集を作ろう

今日、土木学会のコンクリート委員会教育研究小委員会に飛び入りさせてもらい、JSCE.jpの営業をしましたが、小中学校の総合学習での教材提供が委員会の議題になっていました。
このような「総合学習対応」は様々な委員会で行われているとおもいますので、情報共有してください。
コンクリート委員会で紹介されたもの
1 幼稚園児対象 「生コンを見て、触って楽しもう&ちょっと交通安全」
島根県の生コンコンクリート工業組合が主催したもので、幼稚園児・父母を対象に、手形作り、ミキサー車の試乗体験、水出しの見学、大型車の巻き込み防止の説明 などをしたもの。非常に盛況だったとの報告。
大型車・工事車両に対するイメージアップの意味もある。
参照: セメント新聞社、コンクリートテクノ、2002.12、pp.27-29

2 セミナー、ビデオ教材の提供など (土木学会関西支部FCCW)
H15,3.27に「土木事業を一般に理解してもらうための情報発信、コミュニケーションのあり肩」と「小学校・総合学習における情報発信」をテーマにセミナーをした。
また、この中でビデオ教材の貸し出しを行っていることが紹介された。詳しくはここ。
http://www.tecta.co.jp/FCCW_video/

3 6年生向け 野蒜築港を題材とした授業案
宮城県の小学校教諭が作成した15ページに及ぶ「総合的な学習活動案」の紹介。
非常によく調べていらっしゃるけど、長いのでここにはのせません。
詳しくは、どこに問い合わせればいいですか>委員会の方々

コンクリート標準示方書[構造性能照査編]の収縮ひずみの最終値について

コンクリート標準示方書[構造性能照査編]2002のp.30、解3.2.4に記載されている収縮ひずみの最終値を表す式の最後の項は
-5[loge(V/S)/10]^2
となっていますが、logeは最後の10までかかっているため、正確には
-5[loge(V/S/10)]^2
ではないでしょうか?
また、この場合、適用範囲として相対湿度が80%までとなっていますが、条件によってはひずみが膨張側になる場合が生じます。例えば相対湿度80%、単位水量175kg/m3、V/S300mmの場合など。

シュミットハンマーの換算表について

シュミットハンマーにて強度確認をしたいのですが、生コン工場から借りたシュミットハンマーはN−8型で、古いため説明書がなく、強度の換算式がわかりません。
一般にN−2型の換算公式(土木学会式)とは多少変わるのでしょうか?変わるのなら、その公式はどうすればわかりますか?

コンクリートの破壊エネルギー式

コンクリート標準示方書P.27の破壊エネルギーGf(3.2.8)式は、(N/m)となっています。
しかし、そこに代入するdmaxやf’ckはmmとなっています。
この場合、mmのまま代入すれば良いのでしょうか。それともmに換算するのでしょうか。
よろしくお願いします。

阪神高速の倒壊に関する訴訟は棄却

2003年1月28日、阪神淡路大震災における阪神高速の倒壊に関する訴訟の判決が神戸地方裁判所尼崎支部で言い渡され、判決は原告の主張を全面的に退けたものとなりました。
多くの報道がなされていますので、例えばGoogleに"1月28日 阪神高速 倒壊訴訟"と入力して検索すれば、各報道機関の記事を検索できます。

その中で、「コンクリートが危ない」(岩波新書)の著者でもある小林一輔東京大学名誉教授の「原因究明必要だった」とするコメントが神戸新聞に掲載されています。

「橋脚は人間が膝を屈するような不自然な崩れ方をしており、一方で周囲の建物はなんともなかった。施工上の欠陥があった可能性があるが、崩れた橋脚は撤去されてしまったので原因は究明されず、すべてを地震が大きすぎたせいにしてしまった。今後の技術の蓄積のためにも、崩れた橋脚は残して原因を究明すべきだった。そうすれば判決も違ったものになったかもしれない。」(神戸新聞WEB NEWS)

話題トピックに入れるべきかもしれませんが、施工とコンクリートに入れておきます。